牛乳は牛の乳のことで、牛から搾った乳(生乳)を加熱殺菌したものを指します。
牛乳には不足しがちなカルシウムが豊富に含まれ、効率よく吸収することができます。他にも良質なたんぱく質とビタミン類が含まれることから、継続して摂取したい食品です。一般的に朝食でパンと組み合わせたり、学校給食などで飲まれることが多いです。
牛乳とは?
牛乳は牛から搾ったままの生乳を加熱殺菌したものです。
日本で販売されている牛乳の9割以上は、120~150℃で2~3秒間加熱殺菌する超高温殺菌が行われています。この殺菌方法は、食中毒の原因となる菌だけでなく、耐熱性胞子形成菌を死滅させられる唯一の方法で、短時間で大量の生乳を殺菌することが可能です。
他にも、72~75℃で殺菌する高温殺菌、さらに低い63~65℃で殺菌する低温殺菌もあります。どの殺菌方法でも栄養価は特に変わりはありませんが、味わいに多少の違いがあります。
一般的に牛乳類と呼ばれているものは、使用原材料や成分規格などによって種類別に分類され、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、乳飲料などに分かれます。
牛乳と規定されているのは、生乳100%で成分無調整、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上のものをいいます。
成分調整牛乳は、生乳から乳脂肪分や水分、ミネラルなどの一部を除去し、成分を調整したものです。
低脂肪牛乳は成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたものです。
無脂肪牛乳は成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%未満にしたものです。
加工乳は、生乳または脱脂粉乳やバターなどの乳製品を原料に、乳成分を増やしたものや乳脂肪分を減らしたものを指し、濃厚ミルクや低脂肪乳などが該当します。
乳飲料は、生乳または乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えたものです。カルシウムやビタミンなどを強化したものや、コーヒー、果汁などを加えたものがあります。
牛乳を飲むとお腹がゆるくなることがありますが、これは牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が足りないことが原因で、消化不良を起こすためです(乳糖不耐症)。牛乳を数回に分けて飲むことで乳糖を分解しやすくしたり、温めて飲むことで腸への刺激を弱め、酵素の働きを盛んにし、対処することもできます。
春先や年末年始は学校給食がなく、家庭での消費量も少なくなる傾向がありますが、生乳の生産量は増えているため需要より供給量が多くなり、余りがちになることが指摘されています。2014年以降の日本における1人当たりの牛乳消費量は年間30kg程度で推移しています。
コップ1杯(200ml)当たりのカロリーは、普通牛乳では122kcal、低脂肪乳では84kcalになることから、カロリーや脂質が気になる人は低脂肪乳がおすすめです。
■牛乳の保存方法
冷蔵庫で保存し、開封後は2~3日で飲み切るようにしましょう。
牛乳の効果
■丈夫な骨や歯をつくる効果
牛乳に含まれるカルシウムは強い骨や歯をつくり、体を支える重要な働きがあります。
牛乳にはコップ1杯(200ml)当たりにカルシウムが220mg含まれ、成人の1日当たりの推奨量の3分の1に相当するため、手軽にカルシウムを摂取することができます。
カルシウムは吸収率の低い栄養素のひとつで、成人の食事での吸収率は20~30%といわれていますが、牛乳のカルシウムの吸収率は約40%といわれています。牛乳のカルシウムの吸収率が高いのは、牛乳に含まれる乳糖やカゼインホスホペプチドが影響しています。
また、さらにカルシウムの吸収率を良くするためには、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きを助けるビタミンKなどを一緒に摂ることも重要です。
■骨粗鬆症を予防する効果
骨粗鬆症は骨密度の低下と骨の構造の劣化によって、もろく骨折しやすくなる病気です。体内のカルシウムが不足すると、骨の中のカルシウムが溶け出して使われ、骨粗鬆症を引き起こすとされています。
特に高齢女性の発症リスクが高く、閉経後の女性ホルモンの減少も関係します。牛乳などでカルシウムを日頃から積極的に摂取し補うことは、骨粗鬆症の予防につながります。
■精神を安定させる効果
カルシウムはマグネシウムとともに、神経伝達の正常化に働きます。緊張や興奮を緩和させることで、精神を安定させる働きがあります。
こんな方におすすめ
●骨や歯を強くしたい人
●成長期の子ども
●高齢期の人
おさらい
●牛乳の9割以上は、120~150℃で2~3秒間加熱殺菌する超高温殺菌が行われている
●牛乳にはカルシウムが豊富に含まれ、不足しがちなカルシウムを効率よく吸収することができる
●日頃から牛乳に含まれるカルシウムを摂取することで、丈夫な骨や歯をつくり、骨粗鬆症の予防が期待できる
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・一般社団法人Jミルク
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