マグネシウムは、人体に必要なミネラルの一種で、体内では主に骨や歯を形作る成分として存在しています。

カルシウムやリンとともに骨を形成するほか、300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調節などの生理機能を支えています。



マグネシウムとは?

マグネシウムは、成人の体内に約20~30gが存在し、その約60%が骨や歯に、残りは筋肉や脳、神経などに含まれます。マグネシウムが欠乏すると、骨に含まれたマグネシウムが遊離して利用されます。

 

マグネシウムは、骨や歯にカルシウムが行きわたるように調節し、丈夫な骨や歯を形成する働きがあります。

また、体内にある300種類以上の酵素反応に関わり、エネルギーの産生やたんぱく質の合成、神経の伝達、筋肉の収縮、体温の調節、血圧の調節など、様々な働きに関係します。

 

マグネシウムは地球上で6番目に多い元素で広範囲に存在しています。海水に比較的多く含まれているので、魚介類や海藻類などの海産物にはマグネシウムが多く含まれています。

その他、マグネシウムの含有量が多い食べ物には、緑の濃い葉野菜や、アーモンドやごまなどの種実類があります。また精製前の米や麦といった穀物にもマグネシウムは豊富に含まれていますが、精白されたり、粉などにひかれるなどの加工や調理される過程で、含有量が大きく低下します。

 

マグネシウムの摂取において、アルコールをよく摂取する人は注意が必要です。アルコールを大量に摂取すると、体内の血中濃度が上昇し、マグネシウムが尿と一緒に体外に排出されてしまいます。

お酒を飲むときは、マグネシウムの豊富なナッツや青菜のお浸しなどをおつまみにするのもおすすめです。

 

マグネシウムは豆腐をつくる際に使用される凝固剤のにがり(苦汁)の主成分です。主成分が塩化マグネシウムのため、にがりを用いた加工食品はマグネシウムの含有量が多くなります。

最近では、豆腐の凝固剤として硫酸カルシウムが使用されることもあるため、マグネシウムを摂取したい場合には、にがりが使用されているかを確認しましょう。

マグネシウムの効果

丈夫な骨や歯をつくる効果

マグネシウムはカルシウムやリンとともに強い骨や歯をつくる働きがあります。

マグネシウムはカルシウムと拮抗して様々な働きをすることから、カルシウムとのバランスが重要とされ、マグネシウムが1に対してカルシウムが2~3のバランスが良いといわれています。

 

高血圧を予防する効果

細胞内のカルシウムやナトリウムの量を調整し、血圧の調節に役立ちます。

カルシウムが動脈を収縮させて血圧を上げるのに対し、マグネシウムは動脈を弛緩させて血圧を下げる方向に働きます。カルシウムとのバランスにより、正常な血圧や血液の循環を保つ効果があります。

 

心疾患を予防する効果

カルシウムと拮抗して筋肉の収縮をスムーズにし、心臓を規則正しく拍動する働きに関わります。

マグネシウムが慢性的に不足すると、狭心症や心筋梗塞などを引き起こす可能性があるため、マグネシウムの摂取は心疾患の予防が期待できます。

 

精神を安定させる効果

マグネシウムはカルシウムとともに、神経伝達の正常化に働きます。緊張や興奮を緩和させることで、精神を安定させる働きがあります。

マグネシウムが摂れる食べ物

種実類、海藻類、魚介類、葉野菜、未精製の穀類、大豆製品など

いりごま 360mg

アーモンド(いり、無塩) 310mg

カシューナッツ(フライ、味付け) 240mg

落花生(いり) 200mg

ひじき(乾) 640mg

カットわかめ(乾) 460mg

干しエビ 520mg

キンメダイ 73mg

ほうれん草 69mg

つるむらさき 67mg

発芽玄米ご飯 53mg

全粒粉パン 51mg

玄米ご飯 49mg

糸引き納豆 100mg

木綿豆腐(凝固剤:塩化マグネシウム) 76mg

※可食部100gあたり

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

こんな方におすすめ!

骨や歯を強くしたい人

高血圧が気になる人

心疾患を予防したい人

おさらい

カルシウムやリンとともに丈夫な骨や歯をつくる働きがある

筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調節などの生理機能を支える

マグネシウムが1に対してカルシウムを2~3のバランスで摂るのが効果的


参考文献

・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)

・栄養素の通になる 第5版(発行所 女子栄養大学出版部)

・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)

・日本食品標準成分表2020年版(八訂)

・e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)


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